電気けいれん療法(Electroconvulsive therapy: ECT)講習会 学習目標
1.m-ECT(modified ECT)の導入までに必要な知識を備えている
1.1.ECTの定義を理解している
1.2.ECTの歴史を理解している
1.2.1.修正型ECT(m-ECT)が必要な理由を理解している
1.2.2.技法の発展により安全性が向上されてきたことを理解している
1.2.3.ECTの現状と今後の課題を理解している
1.3.通電することによって生じる生物学的な影響を理解している
1.3.1.通電によって中枢神経系に生じる影響を理解している
1.3.2.通電によって心血管系に生じる影響を理解している
1.4.サイン波治療器と短パルス矩形波治療器の特徴を理解している
1.4.1.サイン波治療器は現在医療機器ではないことを理解している
1.4.2.短パルス矩形波治療器を使用するにはECT講習会の受講が必要であることを理解している
1.5.m-ECTの適応判断を理解している
1.5.1.m-ECTの適応となる疾患を理解している
1.5.2.m-ECTの適応となる状態を理解している
1.5.3.うつ病・躁うつ病・統合失調症へのECTの効果に関するエビデンスを理解している
1.5.4.m-ECTの禁忌や相対的禁忌、慎重な使用について理解している
1.5.5.代替治療を検討することについて理解している
1.5.6.m-ECTは適応となる疾患と適応となる状態、重症度、治療歴、代替治療の効果と危険性、患者からの希望などの組み合わせにより症例毎に判断することを理解している
1.6.m-ECTの治療計画について理解している
1.6.1.m-ECT継続、中断の判断基準を理解している
1.6.2.適切な治療頻度を理解している
1.6.3.治療頻度による効果と副作用について理解している
1.6.4.ECTコース中の臨床評価について理解している
1.6.5.刺激電極の貼り付け位置による効果と副作用の違いを理解している
1.7. m-ECTについて患者および家族に説明する以下の項目を理解している
m-ECTの適応、現在の状態に対するm-ECTの有効性と限界、m-ECTの施行手順、施行回数、副作用、生命への危険性、必要な処置、代替治療、同意撤回の自由、継続・維持療法、予想される行動制限、質問の自由
1.8.術前検査の内容とその理由について理解している
2.ETCを安全に実施するための知識を備えている
2.1.m-ECTを安全に行うために必要な設備を理解している
2.1.1.麻酔用とECT用に必要な設備、備品、消耗品を理解している
2.1.2.m-ECT用に準備しておく薬品を理解している
2.2.m-ECTの麻酔について理解している
2.2.1m-ECT前に症例の身体評価内容を理解している
2.2.2.m-ECT前に症例の身体リスクの高い症例(心不全、呼吸不全、頭蓋内病変、妊婦)に対する対応を理解している
2.2.3.m-ECTと向精神病薬との相互作用を理解している
2.2.4.m-ECTに使用する麻酔薬と禁忌とその特徴を理解している
2.2.5. m-ECTに使用する筋弛緩薬と禁忌とその特徴を理解している
2.2.6. m-ECT中の呼吸管理を理解している
2.2.7.ECTのかかりにくい症例への対策を理解している
2.3.m-ECTの副作用・合併症を理解している
2.3.1.ECTによる死亡のリスクを理解している
2.3.2.通電直後に起こりやすい副作用を理解している
2.3.2.1.m-ECT直後におきる、循環器系の生理学的変化を理解している
2.3.2.2.m-ECT直後におきる血行動態のコントロールを理解している
2.3.2.3. m-ECT直後おきる発作後錯乱と対応を理解している
2.3.2.4. m-ECT刺激時におきる歯牙損傷や舌裂傷の防止策を理解している
2.3.3.覚醒後に起こりやすい副作用を理解している
2.3.4.ECTの反復による副作用を理解している
2.3.5.その他のタイミングで起こりやすい副作用を理解している
2.3.6.予防可能な副作用とその方法を理解している
2.3.7. ECTに関連して発生しやすいインシデントと医療事故防止対策を理解している
2.4.ECT開始前~コース中の薬剤管理について理解している
2.4.1.ECTコース中の向精神薬について、継続使用、併用禁忌、減量・中止が推奨される薬剤を理解している
2.4.2.ECTコース中の身体疾患治療薬について、継続使用、併用禁忌、減量・中止が推奨される薬剤を理解している
2.4.3.ECTコース中の向精神薬について、病状の評価に合わせた調整を理解している
2.5.ECT実施前日から当日の流れを理解している
2.5.1.絶飲食、バイタルチェックが必要なことを理解している
2.5.2.当日必要な持ち物や、外していくもの、静脈確保などの準備を理解している
2.5.3.モニター電極や刺激電極などの貼付け位置を理解している
2.5.4.短パルス矩形波治療器の操作手順を理解している
2.5.5.発作の評価基準を理解している
2.5.6.発作不発時の対応を理解している
2.5.7.リカバリー中の観察ポイントを理解している
2.6.有効なけいれんを導くための知識を備えている
2.6.1.発作閾値に影響する因子を理解している
2.6.2.発作閾値の推定から刺激用量の設定方法を適切に理解している
2.6.3.発作閾値が上昇したときの対処方法を理解している
3.m-ECTの治療計画を立てられる
3.1.ECTの適応判断ができる
3.2. ECTが実施できる状態かどうか判断できる
3.3.治療予定回数、治療頻度と刺激部位の妥当性を判断できる
3.4.看護計画を立案できる
3.5.リハビリテーションプログラムの導入・立案ができる
3.6.福祉サービス、社会資源の調整・支援計画の立案ができる
4.継続・維持ECTを理解し、実践できる
4.1.継続・維持ECTの適応と治療計画を理解している
4.2.継続・維持ECTのエビデンスを理解している
4.3.継続・維持ECTの治療スケジュールを理解している
4.4.継続・維持ECTの治療計画を立てられる